昔から「目は口程に物を言う」と言われますが、時に、言葉以上に顔や目の表情が雄弁に語ってくれる時もありますよね。
人と人とのコミュニケーションにおいては「言葉」を使った伝達は重要かつ当たり前の手段ですが、
コミュニケーション、つまり意志の伝達(疎通)ということで言えば、言葉以外にも顔の表情や、
発する声の様子などの「非言語コミュニケーション」というものがあります。
人のコミュニケーションに影響を与える言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの関係性についてお伝えします。
口では謝ってるのに「謝ってないでしょ!!」って思う時
意思伝達、コミュニケーションというのは何かにつけ「言葉」つまり「言語」に重きが置かれています。
ネットや情報手段が発達し、必ずしも人が会って目の前で伝えるというケースばかりではないので、現代社会ではやむを得ない部分もありますが、日常生活においては言語以外の伝達手段もかなり重要ですよね!
つまり、言語以外の目で見る部分(視覚)と、耳から聞こえる部分(聴覚)のことです。
人間は言語コミュニケーション(言葉)だけで判断するわけではありません。
言語と、視覚情報と聴覚情報を総合して、相手が言いたいことを判断しているわけです。
こんなことは経験したことはありませんか??
口では「すいません」と謝っていながら、表情が憮然としている、とか
あるいは「すいません」の言い方があたかもふてくされているように聞こえたり、とか。。
そういう状況だと、言葉で伝えている「すいません」が全く心に入ってきませんよね。
「すいません、なんて思ってないでしょ!!」って言いたくもなりますよね。
日本語にも「言行不一致」という言葉がありますが、言ってる内容と態度が一致してない場合、コミュニケーションに混乱が生じます。
「言葉情報」と「視覚情報」、「聴覚情報」が一致しない場合に起こること
先ほどの、「すいません」と言いながら、見た目と聞こえてくる声の感じが全く一致しないケースでも明らかな通り、言葉で伝えた内容と、視覚や聴覚から得た情報が一致しない状況というのは結構ありますよね。
こういった言語情報と視覚情報、聴覚情報に不一致が生じた時、人間にどういうことに起こるのか、
これを分析し解明したのがアメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンです。
彼が明らかにしたコミュニケーションにおける法則は「メラビアンの法則」として広く知られています。
このメラビアンの法則とは
口から発せられた「言語情報」と、「視覚情報」(見た目、顔の表情など)、「聴覚情報」(声のトーン、大きさなど)に矛盾があった場合、どの情報が最も影響を与えるか、その割合について明らかにした内容になっています。
具体的に言うと、それぞれの影響度の割合は
視覚情報・・・55%
聴覚情報・・・38%
言語情報・・・7%
となっています。
言語情報はたったの7%です。
意外と言えば意外かもしれませんね。
でも、先ほど例にあげた「憮然とした表情で、ふてくされた言い方で謝る人」をイメージすれば納得できるでしょう。
それ以外にケースを考えても
失敗した部下に上司が「やっちゃったなぁ」と笑顔で話しかけていたら、どうでしょう??(責めているに感じますか?)
お店に入って「いらっしゃいませ」と、とげとげしい言い方で言われたら、どう感じるでしょう??(歓迎されていると感じますか?)
おそらく言葉で伝わる内容と逆のメッセージを人を受け取るのではないでしょうか。
メラビアンの法則が明らかにしたように、それほどまでに非言語的コミュニケーションというのは大切だということです。
言葉で伝わるコミュニケーションが全てではないことに気づいておこう
説明したメラビアンの法則について誤解の無いように説明しておくと、
言語情報の影響の割合が7%だからと言って、
「言葉なんてどうでもいい」「やっぱり見た目が大切!」というワケではないということです。
メラビアンの法則についてよく勘違いされやすいのですが、
メラビアンの法則が適用されるのはあくまで言葉(言語情報)と視覚情報や聴覚情報が不一致している時の話であって、
当然のことながら言葉で伝える内容は大切なのです。
知っておいてもらいたいのは言葉で伝える情報が全てではないということ。
メラビアンの法則に学ぶとすれば、視覚、聴覚、言語の3つを一致させることで、言葉で伝える内容をさらに情感豊かに、
そして相手のハートの奥底にストレートに届くコミュニケーションが可能になる、ということです。
メラビアンの法則を知り、非言語的コミュニケーションのより良い使い手になってみませんか?
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